趣旨説明

7年にわたり子育て支援事業に取り組んできて見えてきたことの一つが、「転入時に地域とつながる機会が少なくて孤立する子育て家庭」でした。

友人も相談できる人もサポートしてくれる人もなく地理も不案内の中で、出産し子育てをしていました。

転入時に「地域とつなぎたい」とはじめたのが、「子育て引っ越し」という事業です。子育て引っ越しとは、府内の市町村への子育て世代の引っ越し(移住促進含む)時(引っ越し後1~2年以内)に、こどもや家事等のサポートに加え、引っ越し後に地域の子育て支援機関や子育てひろば等への顔の見えるつなぎを実施する子育て応援事業です。

子育て引っ越しはすでに宇治地域では当方と株式会社宇治吉田運送で協定を結んで企業との連携による子育て支援を実施しています。京都府内の他地域での新たな可能性を探るために、訪問型サポートと地域への同行支援を実施することにより顔の見える事業として展開をしてきました。

2016年度は「京都府こどもつながり応援事業補助金」の採択を受けた「引っ越しのときから子育て応援をするKYOTOプロジェクト」事業を実施し、南丹エリア、京丹後エリア、舞鶴エリアなどでヒアリングを行い広域展開の可能性を探りました。

その結果、南丹エリアには、子育て包括支援センター、訪問事業を実施しているNPO、エリアの事務局となるNPOなどの本事業の実施の可能性のある地域であることがわかりました。また、移住してこられた方からは「パンフレットに書いてあるそのままの孤立を体験した」とのお話を伺いました。

よって、今年度は同補助金の採択を受けて、南丹地域において、転居(移住含む)などに起因して「何らかのしにくさのある子育て家庭」を対象に訪問型のサポートを実施するとともに、移住促進事業との連携や地域の不動産屋等を巻き込んだ情報提供等などの可能性を探ります。

実施にあたっては、地域の核となる子育て支援等のNPOや市町村との連携、また、チラシ等の情報提供に係わる企業等に呼び掛けて、多様な分野との協働により地域ぐるみで顔の見える関係で子育て家庭を応援することを目指します。